年別アーカイブ 2021

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長い年代解釈神学の危険性(その2): 「日・時代説」

進化論の何億年という長い歴史年代に合わせた創世記の再解釈が、聖書の主題である‘主のマスタープラン(キリストの来臨の約束)~福音’を壊滅させることは同テーマ(その1)で記しましたが、今回はその代表的な再解釈である‘日・時代説’について採り上げます。

この説は、創世記第1章の創造の‘日’を、たとえば、「昔の時代」を「昔の日」と言うことがあるように、ヘブル語の‘日:ヨーム’も‘時代’と読めば、進化論の何億年という年代と矛盾しない、と解釈されました。

しかし、聖書は、創造の六日間について、全て「夕があり、朝があった、第〇日。」という文節で区切り、通常の日であることを、念を押して示しています。

さらに、出エジプト記の十戒・安息日のみことば:

 六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。(出エジプト記20:9)

 それは、主が6日のうちに、天と地と海、またそれらの中にいるすべてのものを造り、七日目に休まれたからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものと宣言された。(出エジプト20:11)

は、創造が通常の日の六日間であることを保証しています。もし、創造の‘日’が‘何億年の時代’を意味しているなら、私たちの一週間のサイクルは成り立ちません。

Ⅱペテロは私的解釈を警告する書簡ですが、激変がなかった(斉一説)と主張する人たちに対して:キリストの来臨の約束はどこにあるのか父祖たちが眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか。」 こう言い張る彼らは、次のことを見落としています。すなわち天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によってなったのであって、当時の世界はその水により、洪水におおわれて滅びました。しかし、今の天と地は、同じみことばによって、火に焼かれるためにとっておかれ、不敬虔な者どものさばきと滅びの日まで、保たれているのです。          (Ⅱペテロ3:4~7)

ノアの洪水は全世界でした(創世記7:19~23、8:9)。しかし、‘日・時代説’は、ノアの洪水はメソポタミア地方の局地的な洪水(激変ではなかった)と解釈する説とセットで主張しています。何億年という地層や化石は、全世界的洪水という激変を認めるなら、洪水の1年間に全部積もってしまい、長い地質年代は無かったことになるからです。そして、さらに、その次の箇所:

しかし、愛する人たち。あなたがたは、この一事を見落としてはいけません。主の御前では、一日は千年のようであり、千年は一日のようです。 (3:8)

を捉えて、創造の日を長い時代とする後ろ盾にしています。しかし、この箇所は、逆にそう言う人たちに対し:

 主は、・・・かえって、あなたがた対して忍耐深くあられるのであって、ひとりでも滅びることを望まず、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられるのです。 (3:9)

と、主が忍耐しておられる期間を言っているのです。

ところで、何を隠そう、かつて私は進化論の長い年代で聖書を解釈していたことがありました。主が忍耐して私が悔い改めるのを一日は千年のようであり、千年は一日のように待っていてくださいました。ハレルヤ!

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長い年代解釈神学の危険性(その1): 概要

聖書には、世界の始まりからの歴史が書かれています。たった六日間で天地万物が創造され(創世記1章)、その六日目に創造された最初の人アダムからキリストまでの系図が切れ目なく記されていて(創世記5章、11章、マタイ1章)、合計するとアダムからキリストまでの期間はおよそ4千年です。すなわち、天地創造から今まで6千年しか経っていないということです。キリスト教世界において19世紀までは広くそう信じられていました。しかし、今日ではそうではありません。なぜでしょうか? ダーウィンの進化論以来、人間に至った何億年という歴史がパラダイム(不確かなことが常識の土台となった事柄)になってしまったからです。

それで、神学者たちは‘進化論&その長い年代’と‘聖書’の間を埋めようとして創世記の解釈を模索しました。主な神学解釈に、①創造の1日を1時代と解釈する‘日―時代説’②創世記1章1節と2節の間に長い時代があったとする‘間隙説’③アブラハム以前は歴史事実ではないと解釈する‘枠組み説’などがあります。それらはいずれも進化論(と進化論が主張する何億年という地質年代)に合わせようという試みで提唱されました(『創造の疑問に答える』の第2、3章参照)。聖書を擁護しようという動機だったのでしょうが、それらは聖書の主題である‘主のマスタープラン~福音’に壊滅的な影響を及ぼしました(各説の詳細は順次掲載します)。というのは、もし長い時間かけてアダムに至ったなら、完全創造と堕落を喪失し、福音の意味は完全に壊れてしまいます。死は初め(アダムの罪の前)からあり、生存闘争でアダムに至ったことになるからです。福音が真実であると言えるのは、アダムが神(創造主)に離反した結果、神との調和が壊れ、死が介入したという悪い知らせが事実であるということに因るからです。

 というのは、死がひとりの人を通して来たように、死者の復活もひとりの人を通して来たからです。すなわち、アダムにあって全ての人が死んでいるように、キリストによってすべての人が生かされるからです。(1コリント15:21、22)

それらの神学解釈は、進化論(の長い年代)から聖書を解釈したということであり、しかし進化論とは(聖書外の)無神論を前提とした人間の考えですから、明らかに私的解釈でしょう。何から考え始めるか、その‘何’が信仰です。聖書は私的解釈について警告しています。

 それには何よりも次のことを知っていなければいけません。すなわち、聖書の預言はみな、人の私的解釈を施してはならない、ということです。(第2ペテロ1:20)

さらに警告が、2ペテロ2章、3章に書かれています。

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動画)創世記は史実か? 7「化石は語る…全世界的大洪水」マーカス・ロス

これは、示唆に富むドキュメンタリーフィルム「創世記は史実か?」の一部です。では、聖書の創世記に基づいて地球の歴史を見る旅に出ましょう。

デル・タケット博士が、創造と世界的洪水の興味深い証拠を発見するために、科学者たちにインタビューしながらアメリカを横断します。

 

マーカス・ロス 古生物学博士

専門: 脊椎動物古生物学

ロス博士はペンシルベニア州立大学で理学士を得た後、サウスダゴタ・マインズ・アンド・テクノロジーで理学修士を、そして、ロード・アイランド大学で博士号(地球環境科学)を取得した。

現在、地質学准教授、創造研究センターディレクター(リバティ大学)

 

IS GENESIS HISTORY?

7 “The Fossils Speak… A Global Flood” Marcus Ross

This is one part of a thought-provoking documentary titled “Is Genesis History?” The film takes us on a journey toward understanding the history of the Earth according to Genesis. Dr Del Tackett travels across America interviewing over a dozen scientists and scholars to see fascinating new evidence for creation and a global flood.

Dr Marcus Ross

Expertise: Vertebrate Paleontology

After earning a BS in Earth Science from the Pennsylvania State University, Dr. Ross continued his studies with a MS in Vertebrate Paleontology from the South Dakota School of Mines and Technology and earned a PhD in Environmental Science (Geoscience) from the University of Rhode Island.

He currently serves as Associate Professor of Geology and Director of the Center for Creation Studies at Liberty University.

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進化論の難題(その4)

恐竜は最近まで生きていた?!

恐竜は、およそ2億年前から存在し、人類が現れるはるか以前の6500万年前に絶滅したという進化論の説は定説になっていて、学校でも習ったことがあると思います。

ところが、ごく最近、恐竜は人類と共にいたのではないか、という報道を耳にすることがあります。実際、古代から中世にかけての遺物で、多くの恐竜の壁画やレリーフが存在するのですが(このページ2019年4月のトピックス参照)、さらに決定的な情報があるので紹介しましょう。

実は、恐竜の骨の中には化石化していないものが発見されています。古生物学者メアリ・シュバイツァー博士は、1994年、ティラノサウルスの骨の中に赤血球を発見した時、このように言いました。「それは、まるで現代の骨の薄切りのように見えた。当然、私はそれを信じなかった。そして、研究室の専門家に『その骨は6千5百万年前のものなのよ、どうして赤血球がそれだけの時を越えられたと言うの?』と言った。」(メアリ・シュバイツァー :モンタナ州立大学ロッキー博物館, サイエンス誌, 1994年7月号)」

彼女がサイエンス誌にその記事を投稿してすぐ、反論者たちの圧力でその記事が取り消されましたが、2005年に再投稿されました(下図;メアリ・シュバイツァー;サイエンス誌, 2005年)」)。 彼女は、その骨をモンタナ州ヘル川で見つけた時、それは、紛れもなく悪臭漂う死体であったことを詳しく記しています。(詳細は書籍『創造の疑問に答える』p.285~6参照)

さて、聖書には、恐竜(=地上の動物)について、地上の動物の全ての種類がノアの箱船で生き延びたことが書かれています。

 彼らといっしょにあらゆる種類の獣、・・・あらゆる種類の地をはうもの、・・・がみな、(箱船)に入った。(創世記7:14)

 すべての獣、すべてのはうもの、・・・すべて地の上を動くものは、おのおのその種類にしたがって、箱船から出て来た。(創世記8:19)

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進化論の難題(その3)

砕けなかった褶曲

地層が露出している場所に行くと、しばしば褶曲(地層が湾曲、または折れ曲がっている)が見つかります。写真(筆者撮影)は、和歌山県すさみ町の海岸にある“天鳥の褶曲”で、5mくらいの高さの岩に急激に折れ曲がった見事な褶曲が見えています。

進化論では、「地層とは一枚の地層が積もるのに何十万年もかかるので、分厚く何層にも重なった地層は地球の年齢が46億年である証拠である。」と言います。しかし、徐々に堆積して固まった地層が折り曲げられたのなら、その曲がった部分はひび割れて砕けているはずなのです。しかし、写真のように、そうではありません。

“褶曲”は世界中のどこにでもあり、褶曲でできた山脈も世界中に存在しています。(ヒマラヤ、アルプス、日本の火山以外の山々もそうです)。そして、山の下から上まで全体に褶曲していますが、どこもほとんど岩が砕けていないのです。これは、現代地質学の未解決な謎です。

しかし、聖書に書かれた、“世界を覆ったノアの洪水”という大激変が本当にあったのなら、一気に地層を堆積し、できたばかりの地層全体が柔らかいうちに褶曲して固まることは何ら不思議ではありません。

「こう言い張る彼らは次のことを見落としています。すなわち、・・・当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました。」 (Ⅱペテロ3:5、6)